庭先で蜂の姿を見かけたとき、「これはスズメバチ？それともアシナガバチ？」と迷った経験はありませんか。日本には様々な蜂が生息しますが、スズメバチとアシナガバチには外見や習性、危険性に明確な違いがあります。本記事では、日の出町周辺でよく見られる代表的な蜂の種類であるスズメバチとアシナガバチについて、その特徴と危険性を比較しながら解説します。あわせて、蜂の仲間であるミツバチについても触れ、駆除の必要性がどの程度かをお伝えします。正しい知識を持って、身近な蜂に適切に対処できるようにしましょう。
スズメバチの特徴と危険性
スズメバチは日本に生息する蜂の中でも最大級で、非常に攻撃的な性質を持つ危険な蜂です。体長は3～4cmにも達し、オレンジと黒の縞模様が目立つオオスズメバチや、黄色っぽいキイロスズメバチなど複数の種類がいます。日の出町の山林でもオオスズメバチが確認されており、地中や樹洞に巣を作ることがあります。一方、キイロスズメバチやコガタスズメバチは民家の軒下や樹木の枝にボール状の巣を作る習性があります。
スズメバチの巣は外側が灰褐色のマーブル模様の皮膜で覆われた丸い形状をしており、内部に多層の巣盤があります。巣に近づく者に対しては非常に敏感に反応し、巣を刺激すると集団で激しく攻撃してきます。その毒針による刺傷は強い痛みを伴い、重症化するとアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。毎年夏から秋にかけて全国でスズメバチ刺傷による死亡事故が報告されており、特に複数箇所刺された場合は命の危険があります。スズメバチは“攻撃性・毒性ともに最も危険”な蜂と認識し、巣を見つけたら決して自分で近づかないようにしてください。
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アシナガバチの特徴と危険性
アシナガバチはスズメバチに比べると一回り小さい蜂で、体長は15～20mm程度です。細長い体に長い足を垂らして飛ぶ姿から「足長蜂」の名が付いています。体色は黄色や黒、茶色が混じった種類が多く、一見スズメバチと似ていますが、足が細長く垂れ下がっている点などで見分けられます。日の出町の民家周辺ではセグロアシナガバチなどがよく見られ、軒先やベランダの天井、庭木の枝先などに半球状（お椀を逆さにした形）の巣を作ります。アシナガバチの巣は六角形の巣穴がむき出しになったシャワーヘッド状で、スズメバチの巣のような外皮がないのが特徴です。
アシナガバチは基本的にはおとなしい蜂で、こちらから巣を刺激しなければ襲ってこないことも多いです。ただし油断は禁物で、巣に顔を近づけたり巣のある枝を揺らしたりすると、防衛のために刺してくることがあります。実際、日の出町でも庭木の剪定作業中にアシナガバチの巣に気付かず刺されてしまう事故が時折報告されています。アシナガバチの毒性や刺されたときの痛みはスズメバチに次いで強く、毒の強さはスズメバチに匹敵するとも言われます。特にアレルギー体質の方にとっては危険性に大きな差はありません。したがって、小さい巣だからと放置せず、見つけたら早めに駆除することが望ましいでしょう。
ミツバチは駆除の必要あり？それとも放置でOK？
ミツバチ（蜜蜂）はスズメバチ・アシナガバチに比べると人に危害を及ぼす危険性は低い蜂です。体長は10mm前後と小型で全身にふさふさと毛が生えており、胴体も丸みを帯びています。性格も攻撃的ではありません。ミツバチは刺すと自分も命を落とすため、よほどのことが無ければ人を刺しません。実際、養蜂家が素手で巣箱を扱っても滅多に刺されないほど温厚です。
日の出町を含む西多摩地域では、野生の日本ミツバチが古い木の洞や家屋の床下などに巣を作ることがあります。スズメバチのような危険は少ないとはいえ、住宅の壁裏などに大群で巣を作られると蜂蜜が柱や床に染み出して汚れの原因になる恐れもあります。実際に古い民家の床下にできた日本ミツバチの大きな巣から蜜が漏れ出し、家屋の木材を痛めてしまった例もあります。そのため場所によっては駆除・移設が必要ですが、可能であれば駆除ではなく養蜂家による捕獲という選択肢も検討してください。ミツバチは環境に役立つ益虫でもあり、駆除せず保護する方向で対応する例もあります。
もちろん、蜂に詳しくない方が遠目に見てスズメバチとミツバチを間違えることもあります。種類が分からない蜂の巣を見つけた場合、「大人しいミツバチかもしれない」などと楽観視せず最悪を想定して対処するのが安全策です。結果的にミツバチだったとしても不用意に触れば刺される可能性はありますし、刺されればアナフィラキシーショックのリスクは他の蜂同様に存在します。危険を感じる場所に蜂の巣ができてしまった場合は、迷わず専門業者へ相談するようにしましょう。
まとめとして、日の出町で見かける代表的な蜂であるスズメバチとアシナガバチは、どちらも人にとって注意が必要な存在です。「スズメバチの方がより危険」なのは確かですが、アシナガバチであっても刺されれば重い症状を起こすことがあります。蜂の種類を正しく見極め、適切に対処することが大切です。ご自身で判断が難しい場合は、無理をせず蜂駆除のプロに調査を依頼して安全を確保しましょう。
＜スズメバチ vs アシナガバチの主な違いまとめ＞
- 体長: スズメバチは約30～40mmと大型、アシナガバチは約15～25mmと一回り小さい。
- 巣の形状: スズメバチの巣は球形で外皮に覆われている。アシナガバチの巣は半球状で外皮がなく巣穴が露出している。
- 攻撃性: スズメバチは縄張り意識が非常に強く、巣に近づくと即座に集団攻撃してくる。アシナガバチは比較的おとなしいが、巣を刺激すれば攻撃してくる。
- 毒性・危険度: スズメバチの毒は強力で、複数回刺されると命に関わることもある。アシナガバチの毒も強いが、一度に刺す蜂の数が少ないぶん一般的にはスズメバチより被害は限定的。ただしアレルギー反応（アナフィラキシー）の危険性は両者ともあり、油断は禁物。
なお、体格や巣の構造などに違いはあるものの、どちらの蜂も決して不用意に近づくべきではないという点は共通しています。
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